先日レスキュー騒動を起こしてしまったマウントヤムナスカに再び行ってきました。それなりに学んだことがあったのでそれを実践することと精神的トラウマの克服を兼ねて。
登ったのは比較的壁の低いWest EndにあるDirect Mailというルート。ルートが出来たのは2004年。新しいルートはフェースに最小限のボルトを打って引かれていることが多いので、どちらかというとコーナーに挟まっているような脆い岩が少ないです。復帰戦なのでなるべく脆い岩に悩まされないようなルート選択をしてみました。
1ピッチ目は5.10c,55m。このピッチだけは残念ながら脆い、とガイドブックにも書いてあったりましたが、脆いと書いてあればとことん脆いのがヤム。見た目からしておっかないのでパートナーの若きクライマーPhilipにリードを譲りました。まぁ復帰戦ですからね…。実際登ってみると今までヤムで登ったどのピッチよりも怖かったです。岩の崩壊と共に落ちたばかりなのでそんな感じがするだけかもしれませんが。それにしても果敢にランナウトしてたな。今のぼくには出来ません。
2ピッチ目は5.9,55m。写真ではボロそうですが灰色の岩はフリクションが良く、しっかりとしているので快適。
3ピッチ目は5.10b,60m。ここからは自分でリードです。時々傾斜が強くなったり、浅いグルーブ(溝)に浅くカムをセットしたりしますが、岩さえ安定していれば大丈夫。ところどころにボルトも打たれ快適。
そして核心の4ピッチ目。5.10c,40m。オーバーハングしたコーナーを登り、右にコーナーのあるアレートをうんぬんとトポに書いてあるけど、下から見ているだけでは意味不明。とりあえずボルトの見えた方に登って行き、あとは成り行きに任せて弱点を登ってゆく。ここ核心ぽいな、というところでプロテクションを取るクラックがないのでどこかにボルトがあるはずと探していると、なんとハンガー(カラビナを掛ける金具)のついていないボルトの芯だけが岩から生えてました。予備のハンガーも使えそうなギアもないので仕方なくランナウト(支点を取らずに登り続けること)。そのうちカムが使えるようになり最後のルーズなブロックを際どく避けてやっとこさビレイ点に到着。
そしてそこからは20mほどの簡単な登りと歩きで終了点へ。
核心部では冷や汗ものでしたが、これもヤムナスカならでは。短いルートですがエキサイティングでスパイシーな復帰戦になりました。ちょっとスパイシー過ぎだった気がしないでもないけど。
金曜日, 5月 29, 2009
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2 件のコメント:
JIROさん
しばらく訪問していなかったので、「あら危ないやんか…」そして前頁にと読み戻る(?)となっ何と「嫁」と言う言葉が!また読み戻ると「結婚した」ジャーン!
JIROさん、おめでとうございます。とうとうゴールインですか…少しだけ大阪と愛媛のおばちゃんたちは同趣味の彼女の話は聞いたように思います。(電話もしていたしね)
心配ばかりされていたお母様もホッとされているでしょうね。(親心に共感したものです)
益々安全に注意してロックをしてくださいね。(とても難しい事ですが、ロックガイドはそうでなきゃね)
私は新型インフルエンザ騒ぎでスイストレッキングをキャンセルしました。正直なところカナダの大自然を感じたら「スイスはもういい」と思っていました。その費用で今度はロッキーの稜線に立ちたいと思います。(いつかですが…)その時には直接、「おめでとう!」と言いたいものです。
大阪のマサコさんからも「おめでとう」を預かりましたよ!
naoさん、お久しぶりです。
ゴールインというかスタートしたと感じている今日この頃です。まぁ万事おおむね良好です。豚インフルのおかげでややスローな仕事はじめですが、この際と思いクライミング&トレーニング三昧してます。嫁は仕事していますが。。クライミングも仕事のうちなのでいいかな。
スイスの費用は貯めておいてまたカナダに来てくださいね。
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