現在発売中の岳人2月号に昨冬に行われたワプタトラバースの取材のレポートが掲載されました。自分も一緒についていったのでちょこちょこと登場してます。比較的楽なアプローチ、よく整備された小屋、広大な氷原、そしてパウダースノー。カナディアンロッキー版オートルートなんて言われたりしますが、ワイルドさではなかなかのものです。ご興味のある方はぜひご覧ください。
そしてその記事の最後のページにおまけのようにカナディアンロッキーのウィンタークライミングについて書いたのでそれの補足もしておきたいと思います。ちょうどコメントで質問をいただいたのでそれにお答えする感じですが。(あまりコメントがないもので大して読まれてないと思ってましたが、読んでくれている方もいるんですね。嬉しいものです)
まずはガイドブックについて。
ロッキーの冬クライミングに欠かせないのはこの二冊。
『Waterfall ice climbs in the Canadian Rockies』by Joe Josephson
大きな山のルートを狙わなければこの二冊で大抵のアイスクライミングとミクストクライミングは足ります。しかし、どちらの本もやや古い。Waterfallのほうは出てから8年も経っていてすでに絶版。去年からキャンモア周辺では入手困難になっています。5th Editionが出る出ると言われながらも出る気配があまりありません。もし日本で見つけたら買ってから来ることをお薦めします。Mixedの方はまだキャンモアでも買えます。
前述したように二冊ともやや情報が古くなっていますが、それを補ってくれる情報サイトがWill Gaddさん運営のGRAVSPORTS-ICE。下のほうに2006/2007シーズンからの新ルート情報も保管されているのでこちらも参考になります。アカウントを作れば自分で情報を投稿したり、質問を投げたり、パートナーを捜すこともできます。
壁だけではなく山も視野に入れているならこちらのガイドブック。
『Selected alpine climbs in the Canadian Rockies』 by Sean Dougherty
出版されてから10年以上経っているけれどこれが唯一のアルパインクライミングのルートブックです(他に11000feet以上の山だけを扱った本もありますが…)。こちらも新しいエディションが出る出ると言われながらも全然出ません。とはいえ網羅してますので気になる山のことは何かしら書いてあるはずです。
ちなみに今発売中の『Alpinist29』のMountain ProfileはMt.Robson。表紙の氷はGhostエリアのWicked Wandaというルートでした。情報が新しく写真も素晴らしい。
ハイキングトレイルなどの情報が必要なときは『GEM TREK』の地図を使用してます。こちらはカルガリー、キャンモア、バンフの本屋、アウトドアショップで買うことができます。そしてカナダにも日本の国土地理院のようなものがあり、電子トポマップを提供してくれています。『The Atlas of Canada』。妙にダウンロードが遅いような気がしますが紙ヴァージョンが手に入らないとき、ちょっと一部分だけ必要なんてときに重宝してます。カナダ全土をカバーしているあたりはすごい。
情報のない山を登るのも情報を漁って情報がないことを確認する時代。情報って大切です。
2 件のコメント:
こさかです。
おーーすごく参考になります。
学生の内に1シーズンぐらいまとめて行きたいもんです。
ぜひぜひ。学生のうちに来たほうが絶対いいですよ。滞在費と車のやりくりでやや高くつくのが玉に瑕ですが、まあ北米なので仕方ないですね。
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