キャンモアからバンフへハイウェイを車で走っていると、ある一時だけカスケードマウンテンの左に尖った岩塔が見えるときがある。ある程度まで森林で覆われている周りの山と明らかに違う、まったく木の生えていない岩の塊。それがMt.Louis。アプローチが片道3時間ちかいということもあり何となく敬遠気味でしたが、やっとこさ登ることができました。いくつかあるルートで選んだのは“Homage for the Spider”。このルートは面白いという感想を多く聞いていたので選んでみました。クライミンググレード的には一番難しいものでしょうか。
ルートは上の写真の矢印で示されている北東バットレスにあり、東面を回り込んだところから取り付きます。東面下から見上げたのが次の写真。顕著なコーナーをピナクルまで辿り、そこから左の壁のコーナーに移りバットレスの上まで抜けます。
5:00 バンフから車で5分のCory-Edith Pass Trailheadからスタート。Edith Passを目指しひたすら暗闇を歩く。ここは熊出没地帯なので声を出しながら。
7:00 樹林帯を抜けMt.Louisが姿を現す。朝焼けが綺麗。今日も快晴のようです。
8:00 壁の下に到着。最初はしばらくスクランブル。かなり脆い部分もあるので慎重に。
9:00 クライミングスタート。各ピッチの内容は以下の通り。各ピッチの長さはだいたいの数字。各ピッチともボルトステーションが整備されておりグレードは5.8から5.10aの間。
1p : 顕著なコーナーをひたすら40m。途中からクラックが広くなりキャメロット4サイズへ。そこまで大きいカムを持ってきていなかったのでランナウト。
2p : そのまま同じコーナーを直上55m。ステミング、ジャミングなんでもありの楽しいピッチ。
3p : コーナーは続いているが脆くなってきているのでビレイからフェースとスラブを直上50m。クラックは豊富。ボルトの打ってある小ピナクルで切る。左に黒い流水の後のある顕著なコーナー(次のピッチ)が良く見える。
4P : ピナクルから左に脆い岩をトラバースしコーナーへ移動。直上か左の大きなピナクルまで巻いてまたコーナーに戻るか二つのルート取りがある。ぼくらは直上。こちらの方がやや難しいらしいがむしろ岩もしっかりしていて快適。途中にボルトのあるレッジがあるが無視して50m伸ばして大きなレッジできった。
5p : コーナーを50m。ハンドからチムニーサイズのクラック。もちろんホールドは豊富にあるので難しくはないが表面がざらざらしているのでレインジャケットなど着ている人は裂けるので注意。コーナーが終わり地層と地層の間にできた回廊(地層が垂直なので)のようなところで終了。確かに中世ヨーロッパの村にある路地のような通路。チョックストーンがシュール!
6P : 回廊を奥まで進みチムニーを登って終了。この後はリッジ沿いに頂上までスクランブル。特に難しいところはなし。
そして頂上に到着。
下降は西壁に30mおきにボルトが整備されておりロープ一本で下降が可能でした。ただしガリー状のところを降りるので他パーティーがいるときは落石に要注意です。地面に降りた後はふみ後を辿ってガーゴイルバレーまで歩いて下り、朝歩いたトレイルへ合流。デポ品を回収してひたすらトレイルを戻ります。
所要時間は、
取り付きまで3時間
取り付きからピークまで6時間
下降1時間
トレイルヘッドまで(急いで)2時間半
持っていったギアは、
ダブルロープ2本
カム1セット(キャメロット3まで)
ナッツ1セット
ランナー多数
で少し余る程度でした。
岩質はカナディアンロッキースタンダード(やや脆い)ですが、クライミングやルートはなかなか面白いルートでした。アプローチがだらだらと長いので早朝スタートがマスト。カインルートを登っている別パーティーが時間切れで降りてきていました。次第に日が短くなってきている今日この頃です。
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