木曜日, 2月 07, 2008

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語

最近読んだ本の紹介です。




『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』 
スティーヴン・ジェイ グールド 著


カナディアンロッキーヨーホー国立公園にあるバージェス頁岩を中心に繰り広げられた科学者たちの研究、誤解、あらたな発見を描いた作品。
バージェス頁岩でのカンブリア紀(5億7000万年前から5億年まえごろまで)の化石の大量発見。そして、そこから新しい進化の形態が導き出されます。しかし、その過程は多くの誤解や進化という概念に人間が持つ強い先入観に阻まれ、一筋縄ではいかなかったようです。そんなバージェス史を洗い直し、いかに誤解が生まれ、いかに科学という客観性に富んだ活動が社会的、宗教的な先入観に彩られているかを交えながら、奇妙な生物たちが明かす進化の新しい形態を饒舌ともいえる筆致で描いた大作。
進化論の語る進化が絶え間ない改良と文字通りの”進化”だと思っている方は一読するのを薦めます。古生物学としての解説はかなり細部に渡り隅々まで理解するのは困難ですが、それでもグールドの語るダーウィンの進化論の核心部が頭の中で木霊するほどすり込まれました。

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