月曜日, 11月 08, 2010

11/04 Big Rock


BigRockと言えばカルガリー近辺を代表する地ビール屋さん。その名前の由来となった岩へボルダリングしに行ってきました。カルガリーから40分ほど南下した平原にぽつんとあるその岩。気持ちよく平原をドライブしているといきなり現れます。まわりに何もないので駐車場からはあまりスケールが分からない。しかし近づいてゆくと…


お、なかなか良いではないですか。


実はかなりハイボール(落ちるには勇気と頑丈な身体のいる高さのボルダー)だったりします。

岩質はクォーツアイト。辺りにクォーツアイトの地層がないのになぜかここにあります。実はモンタナ、アルバータにまたがってこういった岩があちこちにあるのですが、これらの岩はGlacial Erraticと呼ばれていて、モンタナ-アルバータにあるものをまとめてFoothills Erratic Trainと呼んでいます。起源は1万2千年前から1万8千年前の氷河期にジャスパー近郊のトンキンバレーで大規模な岩崩れが起きた時の岩くず。それが氷河によってはるばる平原地帯まで運ばれて来たといういわけです。

楽しそうに高いラインを登るO.J.

トンキンバレーの入り口でボルダリングしたことがありますが、あの岩と同じ起源の岩が数千Kmはなれたまったく環境の違う大平原にあるというのは興味深いものです。ま、これがぼろぼろの石灰岩だったらこんなに感心しませんが、良質なクォーツアイトなので何となく感心してしまいますね。

今日は快晴。しかも気温は15度ぐらい。とても気持ちの良いボルダリング日和でした。が、ランチ後に落ちてはいけない高さから落ちた人が、いてはいけないところにいた人を巻き込んでひと騒動。大事にはいたらなかったけど病院へ行ったりしてばたばたしました。次同じことがあったら大怪我してもおかしくないだろうな。気をつけてくだされ。

グレードは良く分からないがとても良いラインをオンサイトするO.J.


火曜日, 10月 26, 2010

10/22-23 Mt.Sir Douglas NW Face Direct

△South Burstall Pass を越えるとSir Douglasが見えた

カナナスキスという場所は懐が深い。半日かけて山の麓へ行き、そこで一泊。半日歩いただけですさまじくヒト気のない空間が延々と続いていた。カナディアンロッキーという場所はなぜか大陸分水嶺の東側(アルバータ州側)は結構道路が通っているのだけど、西側(ブリテッィシュコロンビア州側)へ出ると極端にヒトの気配がなくなり本物のウィルダネスが広がる。サーダグラスという山の周囲もまったく同じで西側まで半日かけてアプローチするととたんにウィルダネス感がびんびんと伝わってきた。

△氷河下のモレーンで一泊

ルートは北西壁と呼ばれるけどあまり壁っぽくはなく、ひたすら良いコンディションの雪壁(ロッキーではあまりないけど)を弱点を探しながら登ってゆくという単調な内容。しかし広大な山々を背にぐいぐいと登るのは爽快。下りは似たようなやや傾斜のない雪壁をひたすらクライムダウン。ガスに巻かれて気づくと隣の氷河の真上に出ていて焦ったけどそれもまた愛嬌。

△頂上から西側のHaig氷河を見下ろす

ートナーは前日の犬の散歩と睡眠不足で体調不良なヒロ。自分も病み上がり+歯痛なのでお互い丁度良いペース。最初は一日で行ってこようかと考えていたけど今回は一泊して程よい行程になりました。

冬クライミングの朝に見る風景には度々驚かされるけど、今回の朝焼けとアシニボインは特に素晴らしかった。一年に何度も見ることのできる光景ではないと思ったのでしばしクライミングを忘れて見とれていました。風景はどうでも良いというハードコアクライマーもいるけど、自分にとってはこれもまたクライミングの一部。山って素晴らしい。

△クライミング前の静かなひと時
アシニボインが見事に焼けた


10/22 South Burstall Pass Parking - Bivy site below the Moraine 5:00
10/23 Bivy site - Summit - Bivy site  8:30
      Bivy site - South Burstall Pass - Parking 4:00

金曜日, 10月 15, 2010

10/12 Yam "Forbidden Fruit, 5.11b 280m"


久しぶりにヤムナスカへ行ってきました。思ったほど気温が上がらずしばらく感覚のなくなりがちな指先を暖めながらのクライミング。でも午後に入ると太陽が出てきてほどよい暖かさのなかクライミングを楽しんできました。ヤムナスカのルートにはトラッド、トラッド&ボルト、ボルトという区分がありますが、今日のルートはボルト9割、トラッドギア1割というかなり“モダン”なルート。時々外れそうなホールドはありますが、基本的には傾斜が強くかつ岩質の良いところを登っているので気楽に楽しめるルートに入るでしょう。最初の5.6以外は5.10+が2ピッチ、5.11-が4ピッチ。なかなかいいグレードが続きます。
怖い岩質とプロテクションに怯え、充実感に満たされながら登るヤムもあればこんな気持ち良く楽しいヤムもあります。こんな両極端のルートの住み分けが上手くできていれば岩場の有効活用にはいいですね。
下りはGrey Scaleというルートを50mラッペル×3。レジスターを見ると他に1パーティーしか入っていなかった様子。静かなヤムナスカでした。

水曜日, 10月 13, 2010

10/10 Alpine Climbing "Stanley Peak, North Face Kahl Route"

 
ハイキングシーズンはほぼ終了。突然暇人になってしまったガイド仲間、ヒロ&リョーとスタンレーピークという山へ行ってきました。ルートはNorth Face Kahl Routeという山の北側にべろーんと垂れ下がる氷河を登るルート。斜度は最大50度ぐらいと簡単な傾斜なのでほぼコンテ。しかし冬シーズン始めのフロントポインティングはふくらはぎにくる。天気は雨、雪、ひょうと何でもありだったので下山時にはすっかりびしょ濡れでした。下山ルートが分かりにくく雪と岩のミックス帯をクライムダウンしたけどそこが難しかった、というか危ない。途中から登った氷河に合流できたのでそこをクライムダウンが正解かも。
朝6時半スタートで夜10時過ぎに終了。なんでこんなに時間が掛かったのかな~。ハイキング仕事でスポイルされちゃった人、次回はもうちょっと頑張りなさい。

水の入ってしまった使い捨てカメラで撮ったような頂上写真

まだまだ続きそうな安定した天気。今度はアイスフィールド方面へ繰り出したい。

日曜日, 9月 26, 2010

9/25 ラストツアー

今シーズン最後のツアーリーダーとしての仕事。前半の雨を耐え忍ぶと、ご褒美のような素晴らしい天気と黄色に染まった素敵な風景が広がりました。空港への車の中で「はぁ~ひと時の夢だったわ」と最高の褒め言葉(勝手にそう解釈してますが…)をもらいました。皆さん無事帰られました?約束通り撮っていた写真をアップします。

まずはサンシャインメドウ


雨の日はパスして一気にヨーホー国立公園のアイスライントレイルへ


そしてやっと訪れた快晴の日、アイスフィールドパークウェイを北上


そして、月夜のレイクルイーズも


朝焼けのビクトリア、そしてラーチバレーから見た山々


バンフ近郊にてエルクを観察


またカナディアンロッキーでお会いできたらうれしいですね。待ってますよ!

日曜日, 9月 19, 2010

9/18 撮影ツアー

 某カメラメーカーの撮影ツアーのガイド。自分は道案内なのでもちろん講師の写真家の先生もいらっしゃいます。アドバイスをこっそりと聞きながら自分もみなさんに混ざって撮影に熱中してしまった。こりゃ駄目だな、と思う気象条件ほど写真は面白くなると実感。でも、こりゃ駄目だと思いつつも撮影へ向かう姿勢をキープするのは本当に大変だと思います。


△キャンモア


△クロウフット・グレーシャー


△マウント・アンドロメダ


△マウント・アンドロメダ


△テンピークス


△テンピークス

  

木曜日, 9月 16, 2010

9/16 Good (rainy) morning..

不安定な天気が続いています。ついつい引きこもってしまうけど、そんなとき動画の編集なんかをやると結構盛り上がって時間を忘れたりします。夏の大部分を過ごしたアシニボインで撮っておいた動画を編集してみました。アシニボインと雲がモチーフ。



木曜日, 9月 09, 2010

9/7 トレラン@Healy Pass



ポーター仕事のついでに最近はまりつつあるトレランでヒーリーパスを再考してみる。行きは荷物があるので帰りだけEgypt Lake Shelter-Healy Pass-Sunshine Baseと走ってみた。
シェルターからヒーリーパスまでの標高差300mは所々傾斜のあるところもあるが走って登れない傾斜でもなくちょっと自分をプッシュしながら汗だくになるには最適。ヒーリーパスからは気持ちの良い高原。ここも国立公園らしい綺麗なトレイルが続きグッド。景色は最高。ハイキングでは樹林帯をだらだらと続くサンシャインまでの緩い下りが不評ではあるがトレラン的には適度な斜度が続きかなり良い感じ。斜面のトラバースは皆無、トレイルの幅も広め、適度な距離、適度な標高差。まったくもってトレラン向きなトレイルでした。さらにシャドウレイク、ツインレイクとつなげば充実度アップ間違いなし。

Time:
0:00 Egypt shelter 2000m 0km
0:30 Healy Pass 2330m 3km
1:40 Sunshine Base 1675m 12.3km

金曜日, 9月 03, 2010

9/2 Rockwallを走りに



 Rockwallといっても壁を登りにいったわけではなく、ロックウォールトレイル(詳しくはこちら)というカナディアンロッキーを代表するバックパッキングルートを走りに行ってきました。完全にトレースすると70kmというながーいトレイルなので今回は一日で走れるであろうショートバージョンのPaint Pot-Tumbling Pass-Numa Pass-Floe Lake-HWY93という行程。だいたい距離38km、標高差+1600m、-1700m。にわかトレイルランナーである自分にはかなりお腹いっぱいな感じでしたが、登りは早歩き時々走り、下りは走りで何とか7時間半で完走。気温は朝は3度、日中は20度以下とトレランには最適でした。指を怪我していてクライミングができない代わりの運動だけどこれはなかなか面白い。これからはトレラン的視点からカナディアンロッキーのトレイルを見直してみようかな。ちなみにこのトレイル、写真の辺りは亜高山帯で快適ですが樹林帯もそこそこ長くトレランとしてはいまいちかも…。峠越えが二つ(完全トレースすると三つ)あるのでそこに燃えてくる人にはいいかも。
そういえばデポしたマウンテンバイクで車まで戻る13kmもけっこうよれた。お疲れさんでした~。

最初の峠 Tumbling Pass
気持ちのいい景色と気持ちのいい道が続く


二つ目の峠 Numa Pass
あの岩壁の下にFloe Lakeと最高に素敵なキャンプサイトが
ここまでの登り、にわかランナーにはやはりきつかった…


日曜日, 8月 29, 2010

8/24-26 バガブー再び



今月3度目のバガブーです。パートナーは妻O.J.。今回は大きなルートに絞り初日をアプローチに当て夜はビバーク、翌日ルートを登りケインハットまで戻ってくる予定でした。しかし氷河歩きに慣れていないO.J.と共に苦労してビバークサイトに着いたところで思わぬアクシデント。ちょっとした不注意でごろりと動いたシャープな岩が指に落ちてざっくりと肉をえぐってゆきました。オーマイゴッド。傷はけっこう深くクライミングは論外な感じなのでとりあえず計画は中止。翌日とぼとぼと同じ道を戻りハットへ泊まりました。
んーなかなかすっきりと登らせてくれないバガブー。しかしまたいくらでも戻ってくるはず。それぐらいいいところなのです。しかし今回は指の怪我でハイキングのポテンシャルを探ることができたのでそれは収穫。来年はここを歩くツアーを作りたいな。

というわけで今回はバガブーハイキング編。

▽実は高山植物の綺麗なところなのです


▽ケインハットはモダンな作りで広々 窓からはバガブー氷河を一望できます

▽氷河が近くモレーンだらけなのでハイキングルートは限られます
でもなかなか良いルートがありました これはお薦め!

月曜日, 8月 23, 2010

8/19 Mt.Victoria Traverse



ずっと行きたかったビクトリアのトラバースへ行ってきました。レイク・ルイーズの向こう正面に見える綺麗な山がビクトリアでそれを右から左へトラバース(上の写真、この稜線を手前から奥まで登ります)。このルートはレイクルイーズを出発してアボットハット経由でまたレイクルイーズまで戻ってくるラウンドトリップがやはり美しいでしょう。クライミンググレードは大したことないですが氷河を越え、雪壁を登り、脆い岩稜を縫ってながーい稜線を登る。そしてながーいガレ場を歩き、モレーンをいくつも越えてレイクルイーズに戻るので充実感抜群でした。パートナーのKDMさんに感謝です。アシニボイン帰りでお疲れのところ頑張ってもらいました。

▽普段はみることのない角度からの風景が新鮮です
△テンピークスのNo.1 マウントフェイが遠くに見えた

▽奥の高いところが北峰
北峰を後にしてトラバース開始

▽そして目指すは南峰

▽レフロイに綺麗な光が当たる

▽アボットパスを経由してレフロイの中腹を横断中
見慣れない角度からビクトリアを眺める

▽なかなか見ることのないビクトリア氷河の末端
この後の渡渉はちょー冷たい

時間:
4:00 Lake Louise
10:00 North Summit
14:00 South Summit
16:30 Abbot Pass
21:00 Lake Louise

ギア:
エイリアン緑サイズからキャメロット赤の間で5個
ナッツの中サイズから大まで6個
アルパインクイックドロー7本
スリング(ダブル)2本
ロープ(ダブル)60m1本