金曜日, 9月 28, 2007

一時帰国

去年の11月末、立山の真砂沢でスキー中にポキリと折れた右足の腓骨(外側のくるぶしの骨)。初滑りで折れてしまいスキーガイドの仕事も駄目になり、今年の夏の仕事に間に合うか不安がよぎり、それはそれは暗い冬の始まりだった。

しかし、状況変われば必ず何か別の道が用意されるようだ。

以前勤めていた会社に仕事をもらい、以前一緒に働いた人たちとまた再会し、金属で繋がれた骨も順調に回復した。知人からは仕事と平行して映像制作の仕事を世話してもらった。ちょっとした交通事故にあって通い始めた整体院では、今まで知らなかった体のシステムを垣間見ることができた。疲労と回復のダイナミックなサイクル。そして手技のみで勝負する整体師の情熱に触れた。カナダに行くまでに自己治癒する体を作る、というコンセプトは、何となく知識としてはあっても、実際体験するまで分からなかった。身体のスペシャリストにすべてを委ねられる週二回、一回50分の時間は至福の時だった。

数百グラムの金属が去年の11月から僕の体重の半分を支えてくれた。そして、骨がつながり、今は外されるのを待つばかり。

10月11日に帰国。29日まで日本にいます。
手術をして、数百グラム軽くなって、あとは味噌汁すすっておいしい白米食べてのんびりする予定。
携帯電話はないので、御用の方はメールください。

日曜日, 9月 23, 2007

素晴らしきSquamish

ロッククライミングをするにはだいぶ寒くなってきたここバンフを抜け出して約一週間のスコーミッシュツアーへ行ってきました。

バンフからスコーミッシュまでは約12時間のドライブ。レンタカーの保険の関係で12時間ぶっ通しで運転してくれたReiくん、ありがとう。僕は延々とうとうとしたり、どうでもいいことをしゃべったりしてました。

あとこれは非常に運が良いと思うのですが、滞在中雨に降られたのはたった一日だけ。あとは半日レストをしただけでずっとクライミングしてました。とにかくここではボルダリングからスポーツ、トラッド、マルチピッチ、被ったルートからフリクションを駆使して登るスラブまで何でもありますから。とにかく休んでる暇なんてないのです。

Grandwallの2ピッチ目 Split Piller(10b) 先行パーティーを追いかける

前半はバンフから一緒に行ったReiくんと色々と手をだしました。ただマルチピッチを登るときだけはどうしてもお互いのレベルに合わせることができないので、少し無理してもらいました。特にGrandWallという大きな壁にあるCruel Shoesというルート。ほとんどスラブでしかもかなりトラバースが多い!トラバースで10dというグレードが出てきます。僕はあのネチネチ感がたまらなく好きですが、やはりトラバースはフォローが大変でした。


Grandwallの3ピッチ目 Perry's Layback(11a)をリードするJさん
鼻血の出そうなレイバックとはこのことか?!

最後の二日間はウイスラー在住のJさんと。一度も一緒に登ったことはないけど、この人とならいけるだろう、という変な確信があったので、いきなりCruel shoes (10d 6pitch) + Grandwall (11a 5pitch)に行きました。Cruel shoesを登ると結構時間が掛かるけど、GrandwallにつなげるときにA0のピッチを登らずにダイレクトに連結できるので僕的には美しいと思ったわけです。全体的にグレードも質もとても濃い長いクライミングになりました。Jさんもしっかりと安全に登ってくれるし、僕は懸案のSword(11a)をオンサイトできたし、確かにこのツアーのハイライトになりました。

時間に追われるようにあちこち登ったせいでいくつか来年持ち越しの宿題も残りました。あとは美しいクラックの幻影となかなか痺れのとれない人差し指と。

木曜日, 9月 06, 2007

最近のロッククライミング Lake Louise

秋晴れが続き、ちょっと天候の安定してきた今日この頃。ここ数週間はせっせと岩場に通いロッククライミングに励んでいます。
昨日・今日とLake Louiseの湖の端にある岩場に行ってきました。岩質はクォーツアイトと呼ばれる変成岩。簡単に言えば砂岩が熱と圧力でとても硬くなったものです。鉄分が含まれていて少し赤みがかったとても美しく安定した岩なので、日頃ロッキーの恐い石灰岩を登っている僕にとっては革命的に素晴らしい岩でした。エメラルド色の湖の湖畔でちょっと歩けばMt.Victoriaから流れてくる氷河が見える、というなかなかオツなロケーションも加わり、バンフ周辺ではマイフェイバリットです。

最近、登り込んでいた成果が昨日今日でちょっと出てきました。
Manhattan 12a, Female Hands 12b をそれぞれ3,4回でRP。
Dew Line 11c, Rubber Lover 11c を本日OS。

12台を今年中に10本、という目標も残り5本。なんとかなりそう。
そのうちこの周辺の岩場の写真でも載せます。

日曜日, 9月 02, 2007

Ha Ling Peak - North East Face (5.6)

Canmoreの町のすぐそこにそそり立つHa Ling Peak(はーりんぴーく)。北壁と北西壁には1本のスポーツルート(北米で二番目に長いスポールルートとか)と5本ぐらいのトラッドルートがあります。今回はその中で一番やさしめのNorth East Face (5.6)に行ってきました。パートナーはYuji夫妻。どんな山でも、どんなクライミングでも大抵この二人は一緒。山家な旦那にしっかりとついてくる嫁・Megちゃんにはいつも関心させられます。今回も楽しみながらフォローしてくれました。サンキュー、Yuji&Meg。君達はとてもラブリーなカップルさ。

ルートはやさしいのでランナウトが基本。ワンピッチに3,4個のランニングを取って登りました。無理やり取ろうと思えばとれるけど、ロープが重くなるからね。12ピッチのところを60mロープで9ピッチで登り、途中先行パーティー待ちを入れて所要時間4時間半。思ったよりもスムーズでした。下りは反対側を歩い降ります。近所の山だけど壁から登るまでは決して登るまい、と大切に残して置いたHa Ling Peak。やっと登頂できた。


Canmoreの街を見下ろしながらのクライミング-ハイライトの綺麗な凹角-頂上のJiro&Yuji、かなり風強いです

Date : 2007/08/30
Member : Jiro, Yuji, Meg
Time:Parking 8:50 / 取り付き
10:00 / Summit 14:30
Gear:
Rope(ダブルが便利), Cams (small)×1set, Nuts×1set, QD×8, Sling×7 *持ってゆき過ぎに注意*

Photo information:
Ricoh GR-Digital

Backpacking in K-country, Northover Ridge

いやはやロッキーの夏は短い。

過ぎ行く夏(というかもう秋)を独り味わいながらたそがれるため、カナナスキス(通称K-country)のNorthover Ridge というバックパッキングルートへ行ってきました。このルート、僕が所属する会社でも夏のバックパッキングプログラムが組まれていています。2泊3日でその半分以上をトレイルとして整備されていない、しかし一応トレイルとして認知されている道を歩くもの。整備されていないということは一切標識などなく、倒木や川があっても歩くのを助ける措置は何も取られていないということですね。予約の必要なキャンプ場が途中にあり、そこは整備されているのにそこまでの道は手をつけない。そうやってエリアに入る人間の数を抑えているのです。ただでさえ人の少ないK-country。そのさらに人の少ないエリアなんですね。ガイド仲間の間ではK-countryを"最後の楽園"と呼んでいるのですが、行けばその理由が分かるでしょう。写真で少しでもその感覚が伝わるといいですが。

Upper Kananaskis Lakeを起点にBCとアルバータを分ける分水嶺(Great Divide)を辿り、また同じ湖へ戻ってくる、というなかなか興味深いルートでした。ただ2泊3日が丁度良い行程のところを1泊2日で歩いたので、二日目は24km歩くことになりやや疲れました。雪の降った直後に行ったので稜線上にはたんまりと雪が積もっていました。でも誰の足跡もない稜線に自分の足跡を残しながら歩くのは心地良いものです。しかし冷たい風が吹き荒れ、鼻水たらしながらたそがれることとなりました。


初日/ Fossil Fall - 下山して行くハイカー達 - Aster Lake Campsite の周辺は化石天国


二日目/Mt. Sarrail (3,174m) に掛かる朝焼け - Mt. Warrior(2,973m) - Mt.Northover(3,003m)


二日目/Northover Lake とThe Royal Group の山々 - Northover Ridge から南の眺め


二日目/雪をまとったNorthover Ridge 左の山はMt.Northover - Onslow Mtn(Left) and Defender Mtn


Date : 2007/08/28 - 29
Member : Jiro
Time : Day1 / Upper Kananaskis Lake TH 10:30
/ Aster Lake C.S. 15:00
Day2 / Aster Lake C.S. 7:40 / Three Isle Lake 12:15 / Upper Lake TH 15:45

Photo information:
Nikon D200+Tokina AT-X 124 PRO DX
+
Sigma 18-50mm F2.8 EX DC MACRO