今回はインディアンクリークでちょくちょくとクライミングの写真を撮っていたので、その一部を載せます。協力してくれた中原栄くん、今井考くん、純一さん、のりこさん、ありがとう。ビレイしながらでは分からないクライマーの葛藤を見るのはとても面白い。そして、自分は彼らのようにぎりぎりまで葛藤しているのだろうか、と振り返ったりもする。とくにトラッドクライミングはプロテクションの懸念が常にあるので余計表面に出てくるのかもしれない。よい刺激を貰いました。
火曜日, 12月 02, 2008
日曜日, 11月 30, 2008
秋のクライミングトリップ報告
10月には寒くて外で登りづらくなってしまうカナディアンロッキーを逃げ出して、南へとクライミングトリップへ行って来ました。今回は去年よりも少し長くしてひと月三週間。行き先は去年と大体同じ行き先にザイオン国立公園とセント・ジョージ周辺を加えてみました。でもやはりメインは愛するインディアン・クリークでのトラッドクライミング修行。サイドメニューにザイオンでのエイドクライミング、モアブ周辺でのタワークライミング、セント・ジョージ周辺でのスポーツ・クライミング、レッドロックスでのロングルートとラスベガスでの夜遊び。うーむ、盛りだくさん。
出発は10月9日。パートナーの純一さんをカルガリー空港でピックアップ。ウィスラーに住んでいる純一さんとクライミングをするのは、去年初めてスコーミッシュで一緒に登って以来。初めて一緒に登ってGrand Wallに行けた信頼できるパートナー。用事を済ませながらカルガリーを抜けてひたすら南下してゆく。国境でアグリチェックというのを受けた。車の中の食料品を全部チェックしてアメリカ持込を制限されているものがないか、違法なものを持ち込んでないかを調べられる。特に制限品はなかったけど、持っている食料はちゃんと覚えておくようにと言われる。モンタナで天気が悪化し吹雪きの中南下を続け夜中にBoulder, Montanaのしなびたモーテルに投宿。翌日は朝から降雪。南に来たのに!?。天候を心配しながらソルトレイク近郊のLogan Canyonまで。ここで少しスポーツクライミングを楽しもうと思ったけれど、あまりの寒さに翌日はザイオン国立公園を目指して南下を続ける。しかし、天気悪い。ザイオンに着いてやっと悪天候から開放されたが気温は低くあまり南へ来た気がしなかった。
10月12日 キャンモアを出て四日目からやっとクライミング開始。4年前に訪れているCerebrus Gendarmeへ。久しぶりのクラッククライミングを楽しんでから、エイド入門ルートのTouch Stone 5.9 C1の1ピッチ目でエイドの練習。慣れていないのと恐怖心でC1でも結構時間が掛かってしまった。しかし、手順などは問題なし。夕食を食べながら翌日のプランを相談しているうちに何故かやる気が出てきて翌日一気にTouch Stoneを登ることに。もっと練習した方がいいかと思ったがなんとなく。
フィックスしておいた1p目をユマールで上がり2p目を自分のリードでスタート。小ルーフを越えたあとにC2っぽいセクションがありRPが役立った。4p辺りから傾斜が緩くなり、フリーとエイド交じりになり5Pあたりからはほぼフリー。もっと早く登れそうなものだけどエイドに身体が慣れてしまうのと、まだ身体がクライミングについてこないのでなかなかスピードが上がらず6P目の終わりで時間切れ。真っ暗ななかラッペルして敗退。ここザイオン国立公園はシャトルバスでアプローチしているので帰りの時間がきまってしまうのが残念だ。
10月16日 Organasm 5.11 C2。
楽しく登りづらい5.8のあとに4mほどのルーフクラック、C2もしくは5.12のフィンガークラックを登り、簡単な4p目。下降はブッシュを掻き分けて砂砂なガリーを降りるので3p目からラッペルした方がよかった。1,2Pをリード。ルーフクラックをO.S.することは出来なかったけど5.11-ぐらいのとても良いピッチだった。3P目は純一さんがリード。ナッツが効きまくるC1っぽいC2。このルートは強くなったらフリーで挑戦するべきクオリティールートだった。また来よう。
他のルートに行くという話もあったがやはり中途半端は気持ちが悪いので。1p目は前日にフィックスしていたので2p目を純一さんのリードから。効率は良くなって、身体も動くはずだけど劇的にスピードアップしているわけではないのでどんどん時間が無くなってゆく。結果は最終ピッチを残して敗退。また暗闇のなかをラッペルしてきた。ラッペルしているとしたの道路に救急車やらパトカーが集まって何か騒がしい。降りてみると自分たちの下で登っていたパーティーで事故。暗くてはっきりとは見なかったが、取り付きから少し離れた斜面に墜死したクライマーの亡骸があった。事情聴取を受けたけど、100mは離れていたので何も言うことはなかった。落ちていたロープが爆発したように芯が千切れていたので原因はロープの切断のようだった。
ここではSnow Canyon State Parkのキャンプサイトへ滞在。一泊一サイト16ドルと高めだけど、環境も良いし、シャワーもあるので悪くない。ここからセント・ジョージ周辺の岩場を巡った。登ったのはSnow Canyon, Chukawalla Wall, Turtle Wall, Welcome Springs。ChukawallaとTurtleは町から5分で非常に便利な砂岩の岩場。Welcome Springsは町から40分ほどの荒野の岩場。あとUtah Hillという岩場に行こうとしたが自分の車ではちと無理そうだったので行くことができなかった。
セント・ジョージ周辺にはまだまだエリアがあり、砂岩、石灰岩、その他数種類の岩があり、また訪れても十分楽しめる場所だった。ただキャンプサイトはSnow Canyonぐらいであとは岩場のそばでキャンプになってしまうようだ。車のなかで眠れるなら多分良いのだろう。あといくつかの岩場に行くには車高の高い2WDもしくは4WDが必要。
10月22日。インディアンクリークへ移動。ほぼ一年ぶりの再訪に気持ちは高揚するが、風邪気味のため元気なし。インディアンクリークではSuperbowlというキャンプサイトに泊まる。他のキャンプサイトよりも道が良く、簡易トイレもあり、日の出が早く日の入りが遅いので秋にはここが良い。ちなみにキャンプは無料。水なし。フリーダム感溢れる素晴らしいところ。
風邪をこじらせてしまい3日間ほどだらだらと過ごしたあと少しづつ復活してきた。しかし、足の親指に傷が出来てクライミングシューズを履くのが苦痛。しかも首も痛めてしまいなかなか調子が上がらなかった。ちゃんとクライミングが始まったのは26日から。そして11月8日までインディアンクリークの素晴らしい日々を堪能した。
今回は行ったことのない岩場を出来るだけ訪れたかったので、前半は毎日違う岩場へ行くことした。
岩場とそこで登ったルートは以下の通り。どの岩場にも必ず一級品のルートと宿題になってしまうチャレンジングなルートがあるのがインディアンクリークのすごいところ。毎日毎日違うルートに触るのは本当に面白かった。
26日 Reservoir Wall
日向で登れる気温ではないので左のエリアへ
Wiggling Worm 5.11 ×
Pente 5.11- O.S.
27日 Scarface Wall
宿題を片付けるために再訪。日向は暑く疲れた。
Sicilian 5.11 R.P.
短いけどテクニカルなオフフィンガー。コーナーの切り替わるところが核心。
28日 Broken Tooth
比較的小さい岩場だけど、ルートは長く、クオリティーは高い。
Rock Lobster 5.11 R.P.
最初のトライでO.S.しそうだったが9mほど落ちて首がまた痛くなった..。
30日 Second Meat Wall
ダートが車高の低い車にはちと厳しい。日陰のある岩場
Second Timer 5.10+ O.S.
Extra Lean 5.11+ ×
核心はバランスの悪いステミング+フィンガークラック。来年の宿題。
31日 Battle of the Bulge
今井君、サクちゃん、栄君がヨセミテから到着。今日から一緒。
The Black Corner 5.11 O.S.
Quarter of a Man 5.11+ ×
シンハンドの難しさを痛感。今回の練習メニューにシンハンド追加。
Battle of the Bulge 5.11 ×
シンハンドで撃沈。いつレイバックしていつジャムをするかそれが問題。
My Piece of Real Estate 5.11- O.S.
出だしのシンハンド核心。全体を通して面白い。
11月1日 4×4 Wall
日陰の岩場。暑いので結構混んでいた。
Marshmallow Safari 5.10 O.S.
ワイドハンドとフィストの綺麗なコーナー。
#12 Unnamed 5.11 R.P.
苦手なシンハンドを何とかするためにしつこくトライ。
3日 The Fin
今日も暑いので早く日陰に入る岩場へ。綺麗なコーナーが多い。
Unnamed (Nagasakiの右隣)5.11 R.P.
シンハンド課題。かなりのクオリティールート。
Skid Low 5.11+ ×
フィンガージャムかレイバックか。来年の宿題。
Brother from another planet 5.12-
今井君の撮影ついでにTRで。確かに面白いが..。
4日 Super Crack Buttress
Super Crack 5.10 O.S.
いつも人がいてやっていなかったので。登り心地は最高。
Coyne Crack 5.11+ ×
オフフィンガー、シンハンドと常に苦しいサイズ。来年の宿題。
7日 Cat Wall
宿題山積みの最高の岩場。
Johnny Cat 5.11+ R.P.
3年前からの宿題。フィンガークラックを登りこんだせいか、すんなりR.P.
King Cat 5.11+ R.P.
これも3年前からの宿題。すんなりR.P.
8日 Broken Tooth
Gingivitis 5.10 O.S.
Polygrip 5.11+ R.P.
すべてのフィンガーサイズが揃っているルート。ぎりぎりのところでR.P.
嬉しかった。
今回はフィンガーとシンハンドという課題を作ってルートを選んでみたけど、それぞれそれなりに成果があった。しかし、そうかと言ってトレーニングのための岩場と考えるには素晴らしい要素が詰まりすぎているインディアンクリーク。来年も再来年もまた訪れたい岩場。今度は何に集中して登るか、どの宿題を片付けるか、そんなことを考えるだけどわくわくしてくる、とても大好きな場所。そんな場所を離れるのはいつも寂しい。今回は今井君、サクちゃん、栄君という強力なクライマーと一緒に登れたので色んな刺激を受けた。今井君、サクちゃんは1月にはパタゴニアへ。成果を挙げて無事帰ってきてくれることだろう。栄君は近々5.15でも登ってくれるのだろうか。自分も頑張って集中してクライミングに励もうと思わせてくれる若者達だった。
11月10日 Fine Jade 5.11 3ピッチと North Face 5.11 3ピッチの継続。
前日にキャッスルバレーへ移動。Caslton towerとRectory。この二つの塔を一日で登るのが今回のプラン。5.11のピッチが二つあり、インディアンクリークでの成果を試すのに丁度良い。まずは日当たりの良いRectoryのFine Jadeから。のっけから傾斜の強いシンハンドに苦しむ。自分リードだがいきなりテイクしてしまったので下まで降ろしてもらい登りなおしてR.P. 5.11-ぐらいか?。次は純一さんがリード。苦手なワイドフィンガーを何度か落ちながらもフリーで抜けた。最終ピッチは簡単なクラックと5.11bのフェース。一箇所バランシーだけどO.S.
そしてすぐにCasltonのNorth Faceへ。1p目が40mぐらいのワイドハンドから5.11のフィンガー。純一さんリード。スムーズに核心のフィンガーまでいくがここでテイク。フォローしてみると確かに難しい。無理にフィンガージャムをしないでフェースクライミングで登ることができた。次は登りずらいが楽なピッチ。そして最後にオフィズスとチムニー。さほど悪くはなく楽しいピッチだった。暗くなる前に下降も済んだし、自分的にはFine Jadeの2P以外は落ちずに登れたので良かった。
11月11日 モアブを去るのはいつも寂しいが今度はラスベガスへ移動。
セント・ジョージで一泊。ついでにVirgin River Gorgeというスポーツエリアで登り、それからラスベガスのレッドロックスへ。
レッドロックスでは数日登ったがアプローチを間違えるなどして長いルートはCloud Towerだけに留まった。Cloud Towerもやたらと先行パーティーがいて結局途中で時間切れ。まあ実力も足りなく5.11dのピッチはぼろぼろだった。
O.J.合流後はスポーツクライミングと決めていたのでギアをしまい、セント・ジョージ方面へ移動。Virgin River Gorgeで二日間登った。キャンプ場は数マイル上流にあるCeder Pocket Camp site。一泊10ドル、水、水洗トイレあり。少しだけハイウェイの音は気になるが思っていたよりも良いサイトだった。岩場まで10分というのが便利。VirginではMentor 5.12bをR.P.してあとは5.13やら5.12dやらを触ってみた。まだちょっと時間が掛かりそうだけど、そんなにむちゃくちゃな感じはしないのでそんなグレードに時間を掛けてトライすのもいいかもしれない。Virgin River Gorgeはハイウエイのすぐそばで音はうるさいし、排気ガスのほのかな香りはするし、環境は悪い。しかし、それを補って余りある良質なルートが林立していて自分的には登り甲斐のある岩場だった。機会があれば喜んで登りこみたい。
その後はセント・ジョージで三日登る。O.J.はVirginで初5.11cを登り、ここでは初めて5.11bをO.S.するなど結構な成果を挙げていた。自分は5.12bぐらいの超甘い5.13a R.P.という微妙な成果。そんなこんなでとうとうクライミングは終了し、あとはあちこち観光しながらカナダへ向かうだけ。
O.J.の行きたがっていたザイオン国立公園でショートハイキングをして、Monroeという町にある温泉に宿泊し、あとはひたすら北上し11月26日にバンフに到着。
二ヶ月近いトリップだったけど終わってみればあっという間だった。成果はあったけど宿題は増えたし、これからどんなクライミングをしたいのかも少しは考えた。そしてこれから行かないと行けない場所も何となく検討はついた。大きなルートを登らない気楽なトリップだけど、グレードを上げるにはショートルートに集中する時間が必要なことも良く分かった。目標設定と集中。これだけは絶対に忘れないでクライミングをしなくちゃいけない。そうしないときっと強くなれないから。
純一さん、O.J. 楽しいクライミングトリップをありがとう。
出発は10月9日。パートナーの純一さんをカルガリー空港でピックアップ。ウィスラーに住んでいる純一さんとクライミングをするのは、去年初めてスコーミッシュで一緒に登って以来。初めて一緒に登ってGrand Wallに行けた信頼できるパートナー。用事を済ませながらカルガリーを抜けてひたすら南下してゆく。国境でアグリチェックというのを受けた。車の中の食料品を全部チェックしてアメリカ持込を制限されているものがないか、違法なものを持ち込んでないかを調べられる。特に制限品はなかったけど、持っている食料はちゃんと覚えておくようにと言われる。モンタナで天気が悪化し吹雪きの中南下を続け夜中にBoulder, Montanaのしなびたモーテルに投宿。翌日は朝から降雪。南に来たのに!?。天候を心配しながらソルトレイク近郊のLogan Canyonまで。ここで少しスポーツクライミングを楽しもうと思ったけれど、あまりの寒さに翌日はザイオン国立公園を目指して南下を続ける。しかし、天気悪い。ザイオンに着いてやっと悪天候から開放されたが気温は低くあまり南へ来た気がしなかった。
10月12日 キャンモアを出て四日目からやっとクライミング開始。4年前に訪れているCerebrus Gendarmeへ。久しぶりのクラッククライミングを楽しんでから、エイド入門ルートのTouch Stone 5.9 C1の1ピッチ目でエイドの練習。慣れていないのと恐怖心でC1でも結構時間が掛かってしまった。しかし、手順などは問題なし。夕食を食べながら翌日のプランを相談しているうちに何故かやる気が出てきて翌日一気にTouch Stoneを登ることに。もっと練習した方がいいかと思ったがなんとなく。
Touchstone 2Pをユマールする純一さん
10月13日 Touch Stone 5.9 C1。フィックスしておいた1p目をユマールで上がり2p目を自分のリードでスタート。小ルーフを越えたあとにC2っぽいセクションがありRPが役立った。4p辺りから傾斜が緩くなり、フリーとエイド交じりになり5Pあたりからはほぼフリー。もっと早く登れそうなものだけどエイドに身体が慣れてしまうのと、まだ身体がクライミングについてこないのでなかなかスピードが上がらず6P目の終わりで時間切れ。真っ暗ななかラッペルして敗退。ここザイオン国立公園はシャトルバスでアプローチしているので帰りの時間がきまってしまうのが残念だ。
10月16日 Organasm 5.11 C2。
楽しく登りづらい5.8のあとに4mほどのルーフクラック、C2もしくは5.12のフィンガークラックを登り、簡単な4p目。下降はブッシュを掻き分けて砂砂なガリーを降りるので3p目からラッペルした方がよかった。1,2Pをリード。ルーフクラックをO.S.することは出来なかったけど5.11-ぐらいのとても良いピッチだった。3P目は純一さんがリード。ナッツが効きまくるC1っぽいC2。このルートは強くなったらフリーで挑戦するべきクオリティールートだった。また来よう。
Touchstone 2P C2っぽいC1
10月17日 懲りずにまたTouch Stone。他のルートに行くという話もあったがやはり中途半端は気持ちが悪いので。1p目は前日にフィックスしていたので2p目を純一さんのリードから。効率は良くなって、身体も動くはずだけど劇的にスピードアップしているわけではないのでどんどん時間が無くなってゆく。結果は最終ピッチを残して敗退。また暗闇のなかをラッペルしてきた。ラッペルしているとしたの道路に救急車やらパトカーが集まって何か騒がしい。降りてみると自分たちの下で登っていたパーティーで事故。暗くてはっきりとは見なかったが、取り付きから少し離れた斜面に墜死したクライマーの亡骸があった。事情聴取を受けたけど、100mは離れていたので何も言うことはなかった。落ちていたロープが爆発したように芯が千切れていたので原因はロープの切断のようだった。
TouchstoneからThe Big Bend周辺のパノラマ
10月18日 エイドクライミングに飽きてきたので次はセント・ジョージへ移動してスポーツクライミング。ここではSnow Canyon State Parkのキャンプサイトへ滞在。一泊一サイト16ドルと高めだけど、環境も良いし、シャワーもあるので悪くない。ここからセント・ジョージ周辺の岩場を巡った。登ったのはSnow Canyon, Chukawalla Wall, Turtle Wall, Welcome Springs。ChukawallaとTurtleは町から5分で非常に便利な砂岩の岩場。Welcome Springsは町から40分ほどの荒野の岩場。あとUtah Hillという岩場に行こうとしたが自分の車ではちと無理そうだったので行くことができなかった。
セント・ジョージ周辺にはまだまだエリアがあり、砂岩、石灰岩、その他数種類の岩があり、また訪れても十分楽しめる場所だった。ただキャンプサイトはSnow Canyonぐらいであとは岩場のそばでキャンプになってしまうようだ。車のなかで眠れるなら多分良いのだろう。あといくつかの岩場に行くには車高の高い2WDもしくは4WDが必要。
10月22日。インディアンクリークへ移動。ほぼ一年ぶりの再訪に気持ちは高揚するが、風邪気味のため元気なし。インディアンクリークではSuperbowlというキャンプサイトに泊まる。他のキャンプサイトよりも道が良く、簡易トイレもあり、日の出が早く日の入りが遅いので秋にはここが良い。ちなみにキャンプは無料。水なし。フリーダム感溢れる素晴らしいところ。
インディアンクリークの典型的な風景
風邪をこじらせてしまい3日間ほどだらだらと過ごしたあと少しづつ復活してきた。しかし、足の親指に傷が出来てクライミングシューズを履くのが苦痛。しかも首も痛めてしまいなかなか調子が上がらなかった。ちゃんとクライミングが始まったのは26日から。そして11月8日までインディアンクリークの素晴らしい日々を堪能した。
潤いのない、しかし美しい砂漠の花
今回は行ったことのない岩場を出来るだけ訪れたかったので、前半は毎日違う岩場へ行くことした。
岩場とそこで登ったルートは以下の通り。どの岩場にも必ず一級品のルートと宿題になってしまうチャレンジングなルートがあるのがインディアンクリークのすごいところ。毎日毎日違うルートに触るのは本当に面白かった。
26日 Reservoir Wall
日向で登れる気温ではないので左のエリアへ
Reservoir Wall のボルダーで遊ぶ
Wiggling Worm 5.11 ×
Pente 5.11- O.S.
27日 Scarface Wall
宿題を片付けるために再訪。日向は暑く疲れた。
Sicilian 5.11 R.P.
短いけどテクニカルなオフフィンガー。コーナーの切り替わるところが核心。
28日 Broken Tooth
比較的小さい岩場だけど、ルートは長く、クオリティーは高い。
Rock Lobster 5.11 R.P.
最初のトライでO.S.しそうだったが9mほど落ちて首がまた痛くなった..。
30日 Second Meat Wall
ダートが車高の低い車にはちと厳しい。日陰のある岩場
Second Timer 5.10+ O.S.
Extra Lean 5.11+ ×
核心はバランスの悪いステミング+フィンガークラック。来年の宿題。
31日 Battle of the Bulge
今井君、サクちゃん、栄君がヨセミテから到着。今日から一緒。
The Black Corner 5.11 O.S.
Quarter of a Man 5.11+ ×
シンハンドの難しさを痛感。今回の練習メニューにシンハンド追加。
Battle of the Bulge 5.11 ×
シンハンドで撃沈。いつレイバックしていつジャムをするかそれが問題。
My Piece of Real Estate 5.11- O.S.
出だしのシンハンド核心。全体を通して面白い。
11月1日 4×4 Wall
日陰の岩場。暑いので結構混んでいた。
Marshmallow Safari 5.10 O.S.
ワイドハンドとフィストの綺麗なコーナー。
#12 Unnamed 5.11 R.P.
苦手なシンハンドを何とかするためにしつこくトライ。
3日 The Fin
今日も暑いので早く日陰に入る岩場へ。綺麗なコーナーが多い。
Unnamed (Nagasakiの右隣)5.11 R.P.
シンハンド課題。かなりのクオリティールート。
Skid Low 5.11+ ×
フィンガージャムかレイバックか。来年の宿題。
Brother from another planet 5.12-
今井君の撮影ついでにTRで。確かに面白いが..。
4日 Super Crack Buttress
Super Crack 5.10 O.S.
いつも人がいてやっていなかったので。登り心地は最高。
Coyne Crack 5.11+ ×
オフフィンガー、シンハンドと常に苦しいサイズ。来年の宿題。
レストの日 嵐の前兆
7日 Cat Wall
宿題山積みの最高の岩場。
Johnny Cat 5.11+ R.P.
3年前からの宿題。フィンガークラックを登りこんだせいか、すんなりR.P.
King Cat 5.11+ R.P.
これも3年前からの宿題。すんなりR.P.
8日 Broken Tooth
Gingivitis 5.10 O.S.
Polygrip 5.11+ R.P.
すべてのフィンガーサイズが揃っているルート。ぎりぎりのところでR.P.
嬉しかった。
今回はフィンガーとシンハンドという課題を作ってルートを選んでみたけど、それぞれそれなりに成果があった。しかし、そうかと言ってトレーニングのための岩場と考えるには素晴らしい要素が詰まりすぎているインディアンクリーク。来年も再来年もまた訪れたい岩場。今度は何に集中して登るか、どの宿題を片付けるか、そんなことを考えるだけどわくわくしてくる、とても大好きな場所。そんな場所を離れるのはいつも寂しい。今回は今井君、サクちゃん、栄君という強力なクライマーと一緒に登れたので色んな刺激を受けた。今井君、サクちゃんは1月にはパタゴニアへ。成果を挙げて無事帰ってきてくれることだろう。栄君は近々5.15でも登ってくれるのだろうか。自分も頑張って集中してクライミングに励もうと思わせてくれる若者達だった。
11月10日 Fine Jade 5.11 3ピッチと North Face 5.11 3ピッチの継続。
Rectory
前日にキャッスルバレーへ移動。Caslton towerとRectory。この二つの塔を一日で登るのが今回のプラン。5.11のピッチが二つあり、インディアンクリークでの成果を試すのに丁度良い。まずは日当たりの良いRectoryのFine Jadeから。のっけから傾斜の強いシンハンドに苦しむ。自分リードだがいきなりテイクしてしまったので下まで降ろしてもらい登りなおしてR.P. 5.11-ぐらいか?。次は純一さんがリード。苦手なワイドフィンガーを何度か落ちながらもフリーで抜けた。最終ピッチは簡単なクラックと5.11bのフェース。一箇所バランシーだけどO.S.
Fine Jade 2P 核心のフィンガークラック
そしてすぐにCasltonのNorth Faceへ。1p目が40mぐらいのワイドハンドから5.11のフィンガー。純一さんリード。スムーズに核心のフィンガーまでいくがここでテイク。フォローしてみると確かに難しい。無理にフィンガージャムをしないでフェースクライミングで登ることができた。次は登りずらいが楽なピッチ。そして最後にオフィズスとチムニー。さほど悪くはなく楽しいピッチだった。暗くなる前に下降も済んだし、自分的にはFine Jadeの2P以外は落ちずに登れたので良かった。
11月11日 モアブを去るのはいつも寂しいが今度はラスベガスへ移動。
セント・ジョージで一泊。ついでにVirgin River Gorgeというスポーツエリアで登り、それからラスベガスのレッドロックスへ。
レッドロックスでは数日登ったがアプローチを間違えるなどして長いルートはCloud Towerだけに留まった。Cloud Towerもやたらと先行パーティーがいて結局途中で時間切れ。まあ実力も足りなく5.11dのピッチはぼろぼろだった。
Cloud Tower 4P
ここでカルガリーから飛んできたO.J.と合流し、純一さんがバンクーバーへと帰っていった。ツアーももうすぐで終わる。O.J.合流後はスポーツクライミングと決めていたのでギアをしまい、セント・ジョージ方面へ移動。Virgin River Gorgeで二日間登った。キャンプ場は数マイル上流にあるCeder Pocket Camp site。一泊10ドル、水、水洗トイレあり。少しだけハイウェイの音は気になるが思っていたよりも良いサイトだった。岩場まで10分というのが便利。VirginではMentor 5.12bをR.P.してあとは5.13やら5.12dやらを触ってみた。まだちょっと時間が掛かりそうだけど、そんなにむちゃくちゃな感じはしないのでそんなグレードに時間を掛けてトライすのもいいかもしれない。Virgin River Gorgeはハイウエイのすぐそばで音はうるさいし、排気ガスのほのかな香りはするし、環境は悪い。しかし、それを補って余りある良質なルートが林立していて自分的には登り甲斐のある岩場だった。機会があれば喜んで登りこみたい。
その後はセント・ジョージで三日登る。O.J.はVirginで初5.11cを登り、ここでは初めて5.11bをO.S.するなど結構な成果を挙げていた。自分は5.12bぐらいの超甘い5.13a R.P.という微妙な成果。そんなこんなでとうとうクライミングは終了し、あとはあちこち観光しながらカナダへ向かうだけ。
O.J.の行きたがっていたザイオン国立公園でショートハイキングをして、Monroeという町にある温泉に宿泊し、あとはひたすら北上し11月26日にバンフに到着。
二ヶ月近いトリップだったけど終わってみればあっという間だった。成果はあったけど宿題は増えたし、これからどんなクライミングをしたいのかも少しは考えた。そしてこれから行かないと行けない場所も何となく検討はついた。大きなルートを登らない気楽なトリップだけど、グレードを上げるにはショートルートに集中する時間が必要なことも良く分かった。目標設定と集中。これだけは絶対に忘れないでクライミングをしなくちゃいけない。そうしないときっと強くなれないから。
純一さん、O.J. 楽しいクライミングトリップをありがとう。
金曜日, 11月 28, 2008
クライミングトリップ終了
ひと月三週間のクライミングトリップが終わりました。25度ぐらいで快適にクライミングすることが出来たSt.George周辺から一気に氷点下のバンフへ到着。生命活動が鈍ってます。
しばらくキャンモアで居候しながらユーコンでの冬の仕事の準備するつもり。今回のクライミングの報告もぼちぼちアップしてゆきます。
とりあえず荷物の整理。家がないので何かと大変です。
しばらくキャンモアで居候しながらユーコンでの冬の仕事の準備するつもり。今回のクライミングの報告もぼちぼちアップしてゆきます。
とりあえず荷物の整理。家がないので何かと大変です。
木曜日, 10月 09, 2008
恒例 秋のクライミングトリップ
明日からクライミングトリップへ行ってきます。行先はユタ州のザイオン国立公園、モアブ周辺(インディアンクリークやら近郊のタワーなど)、そして時間があったらラスベガスのレッドロックス。今年は特にあれを登らなくちゃいかん、というのはないのでトラッドクライミングを中心に気楽に楽しんで来るつもりです。しばらくは登って、食べて、寝ることだけを考えて暮します。期間は11月24日まで。それまで更新できないとおもいますが、皆様よい秋をお過ごしください。
金曜日, 9月 26, 2008
日曜日, 9月 21, 2008
金曜日, 9月 19, 2008
Mt.Yamnuska - Pangolin 5.10b 145m + Smeagol 5.9 105m
Pangolin 1P 核心の薄かぶり レイバックかフィンガージャムで
試験の後にすぐ6日間の仕事があり、やっと休みになった。ちょっとは休もうかと思ったけど天気はいいし、友人のヒロくんがかなりトラッドクライミングをやりたそうにしていたので、重い足腰をあげて、またしてもヤムに行ってきました。
長いルートは体力的にきついのでEast End Areaの短めのルートPangolinとSmeagolを継続することに。嫌になったら一本で帰ってくればいいので気が楽である。
朝7時集合、9時過ぎから登り始めてPangolinを12:30、Smeagolを3:15ぐらいに登り終わった。グレードも長さもどってことないルートだけど、二つともチムニーやオフィズス(石灰岩なんで色々と登りかたはありますが)が出てきて以外に楽しむことができた。もうちょっとで5.13のルートを落としそうなヒロくんが5.8のチムニーが一番難しかった、と感想を漏らしていたのはなかなか面白い。というか、自分としては気持ちが良かったりする。
Pangolin 4P
とりあえずヒロくんもトラッドクライミングの面白みが分かったようで、なかなか良い日だった。しかし、7日間も動き続けているとさすがに身体がだるい。そして明日も早朝からハイキングの仕事である。
トップアウト ちょっと髪が伸びすぎの今日この頃です
火曜日, 9月 16, 2008
ACMG Assistant Rock Guide Exam 結果
COURSE MARK: PASS
Areas to work on: Gain more experience with basic techniques and application before incorporating more sophisticated or improvisational ones. Your confidence and capability as a climber occasionally overrode your awareness of the clients needs especially with respect to coaching.
もっとクライアントの能力とルートの難易度に注意を払え、ということですね。
何はともあれ、良い結果でひと段落つきました。
よかったです。
水曜日, 9月 10, 2008
ACMG Assistant Rock Guide Exam 終了
9日間の試験が終わりました。
6月のトレーニングに参加してから、ずっとどこかで気持ちを占領していた試験が終わり、心身共にほっとしてます。8月は極度の腰痛と首痛と寝込むほどの風邪にやられ、一時は途中でリタイアするのではないかととても不安でした。試験が始まってからも風邪はなかなか良くならず、毎日自分の状態をチェックする起きてからの数秒間は非常に緊張するひと時でした。登っている途中に何回手鼻をしたことか。最初の三日間は頭もぼけっとしたままでとても辛かった。
一緒のチームを組んでいたPierreとBobには色々世話になり、インストラクターの面々はそれぞれが特徴のある人たちでとても面白かった。そんなプロフェッショナルガイドが経験から得てきたテクニックや心構えを学べたのはとても貴重な体験だった。
"Be a good guide"
とてもシンプルな言葉だけど、なんて大変なことなんだろう。それを実感する毎日でした。結果が来るのはしばらく先ですが、合否に関係なく一歩を踏み出せたことは確かなはず。真摯に受け止めて、そこからまた次のステップを踏んでゆければそれでいいのでしょう。
サポートをくれた皆さんに感謝。感謝。
6月のトレーニングに参加してから、ずっとどこかで気持ちを占領していた試験が終わり、心身共にほっとしてます。8月は極度の腰痛と首痛と寝込むほどの風邪にやられ、一時は途中でリタイアするのではないかととても不安でした。試験が始まってからも風邪はなかなか良くならず、毎日自分の状態をチェックする起きてからの数秒間は非常に緊張するひと時でした。登っている途中に何回手鼻をしたことか。最初の三日間は頭もぼけっとしたままでとても辛かった。
一緒のチームを組んでいたPierreとBobには色々世話になり、インストラクターの面々はそれぞれが特徴のある人たちでとても面白かった。そんなプロフェッショナルガイドが経験から得てきたテクニックや心構えを学べたのはとても貴重な体験だった。
"Be a good guide"
とてもシンプルな言葉だけど、なんて大変なことなんだろう。それを実感する毎日でした。結果が来るのはしばらく先ですが、合否に関係なく一歩を踏み出せたことは確かなはず。真摯に受け止めて、そこからまた次のステップを踏んでゆければそれでいいのでしょう。
サポートをくれた皆さんに感謝。感謝。
月曜日, 9月 08, 2008
ACMG Assistant Rock Guide Exam
9月7日 雨あがりのYam
試験6日目が終わりました。
二日目からは朝6:30から始まり、今日までせっせと外でロッククライミングをガイドするとは何ぞや、という試験を受けています。最初は細かいレスキューなどをテストされていたけど、この3日間は実際のマルチピッチのルートで試験官をクライアントとして登り、ガイドテクニック、クライアントケア、ハザード認識、チームコントロール、などなどを試されている。
天気予報は毎日いまいちだけど、それでも何とか登れている。しかしながら、今日の午前中は特に寒かった。YamのRed shirts 5.10a 8pitchというルートに行ったのだけど、午前中はずっと霧の中で日が差さず、多分4度ぐらいしかなかったんじゃないだろうか。普通の人ならわざわざ登りに来ない気温ですよ。しかも試験にはうってつけなことに、突然の雷雨がやってきた。自分たちのチームはすでに登り終えて下山中だったけど、他のパーティーはまだルートの終わりの方にいて、無線を通してしばし緊迫した雰囲気が全体に広がっていた。後からそのパーティーのやつに聞いてみたら最初の一発が50mも離れていないところに落ちたとか。いやはや試験とは言え”本気”です。
今のところの自己評価は中の上くらい。明日が登る日としては最後。Passして笑うか、それとも、高い試験料をドブに捨てることになって泣くか。どっちにせよあと一日。気合を入れて頑張ろう。
月曜日, 9月 01, 2008
写真日記 0831
雪が降り、雪が解けた。
8月がそろりそろりと終わり、
短い夏もそろそろと終る。
このひと月は何かがおかしかった。”可笑しかった”と言えるぐらい不可思議だった。人生最悪の腰痛に始まり、首の軽い肉離れ、起き上がることのままならないほどの風邪、などなど。上手く仕事の合間を縫うようにおかしくなってくれたのでよかったが、反対に休みという休みが療養に当てられて、その他のことがままならなかった。しかし、これも”まぁ、のんびり行こうよ”という身体からのメッセージかもしれない。実際、寝込んでみると人にあったり何かをするのが極端におっくうなので、自然と己のことや身体と精神のバランスについて考えたりしている。色々考えてはみるが、やはり身体の調子が精神を大きく左右することは否めない。不調になってみると、身体さえ丈夫ならそれでいいじゃないか、とも思えてくる。身体の調子が良くて、元気に仕事をしていてもそれなりに不満や不安があることを忘れそうになる。贅沢な悩みが人生にはなんと多いことだろう。
忙しいときほど身体は安静と調整を必要としている。ほんの少し、そして出来ることなら毎日、静かに身体と向き合う時間を持ちたいものだ。
金曜日, 8月 29, 2008
写真日記 0828
From EEOR
8/27
壁に張り付いていたら、急に寒くなってきて雨が降りだした。虹は綺麗だが秋の雨は冷たい。
8/28
風邪気味なのを無理してYamのルートに行った。2ピッチ登ったところですべてのエナジーを使いきり敗退。駐車場まで帰るのすらぎりぎりだった。
試験まであと5日。まずは風邪を治さなくては。
日曜日, 8月 24, 2008
Mt.Yamnuska - Forbidden Corner 5.9 310m
腰痛が治ってきたと思ったら今度は首が痛い今日この頃、またまた試験対策のためヤムへ行って来ました。今回は1964年初登のルート、Forbidden Corner。グレードは5.9ですが、上部の露出感たるやかなりのものがあります。初登時、上部の複雑なルートファインディングを要する部分ではピトンからピトンの距離が平均12mものどランナウトだったとか。しかも当時のアルパインクライミンググレードの上限近くのクライミング。頭が下がります。今ではボルトが追加され比較的安全に登ることができます。
パートナーはGuide Trainig Rockを6月に一緒に受けたPierre。お互い夏は仕事であまり登れなかったので、彼もまた試験前の追い込み中。もともとは大学でオペラ歌手の勉強をしていたという変り種。
今回もルートプラン形式で。
Route Plan: Mt.Yamnuska -Forbidden Corner 5.9 310m 10P
Timing: 10ピッチルートで予想されるクライミングの時間は6-8時間、アプローチに1時間強、ルート終了点からパーキングまでは1時間。真夏は午後からの夕立の可能性が高いボウバレーなので早朝スタートが良い。なのでパーキング着は3時ぐらいが良いでしょう。
Escape Route: 5ピッチ目で"Forbidden Corner"(下部の凹角)がを抜けるまでは、各終了点からラッペルが可能。6ピッチ目以降はラッペルが困難なのでルートを登りきるのが良い。
Option: ヤムナスカの西パートにはいくつかの短いルートがあり、天候や時間によっては選択肢になる。例えばWindy Slab, King's Chimneyなど。最寄のKid Goat, Nanny Goatにも多数の短いルートがあるのでこれも選択可。例えばTwilight Zone, Kyhole Route, Deception Route。
Equipment: ストッパー 1セット、キャメロット (0.5―3.5) 1セット、エイリアン(緑―赤) 1セット、スリング シングル8、ダブル3、ラッペル用にQuick Link を2個
その他はレインジャケット。
Route Description:
Approach
キャ ンモアから1Aを東へ。1Xとのジャンクションからさらに2㎞。Yamnuskaの標識に従って左折すると駐車場へ。駐車場奥のトレイルヘッドから Yamnuska Ridge Trailを約1Km ほど登るとクライマーズトレイルとのジャンクションへ。左のトレイルを行き壁の真ん中へ向けて左上してゆく。途中斜面をトラバースするトレイルとさらに左 上してゆくトレイルがあるので、右の左上してゆくトレイルを行く。やがてトレイルがヤムナスカの壁に当るので、壁沿いを東へ200mほど行くと高さのない幅広なバットレスがあるので、その東側の凹角からスタート。
Descent
ルート終了点から踏みあとを拾いながら東へ。高度を下げながらヤムナスカの壁の東の端Ravan's Endを目指す。そこからはYamnuska Ridge Trailを下る。取り付きに戻る場合は壁の下についているクライマーズトレイルへ。ラッペルで降りるときは終了点から東へ50mほど東に行った辺りからDreambedをラッペルすることができる。
1P 30m 5.6 凹角、もしくはそれより右の簡単なフェースを登りレッジへ。そのまま凹角を登りボルトのあるレッジへ
2P 25m 5.8 ビレイ点から5m左へ進み、そこからフェースを少々ランナウトしながら直上。黄色い壁の下を右へトラバース気味に登り、大きなコーナー"Forbidden Corner"の基部へ入る。しばらく登りコーナー右のレッジでビレイ。
2P ここからややランナウト気味なフェース
3P 30m 5.8 コーナーを直上。コーナークラックが難しくなったところは左のフェースを使って登る。最初のボルトの打ってあるレッジはパスし、ピトンがいくつも打ってあるコーナー左のレッジでビレイ。
3P “Forbidden Corner”
4P 30m 5.8+ コーナーをピトンまで3m登り、そこから右のフェースへ露出感のあるトラバース。フレークを登り、さらに右上へトラバースし左上する簡単なレッジへ。レッジに沿って登りコーナーへ戻る。
5P 35m 5.8 コーナークラックを直上。小さいルーフを二つ越えたところから左へピトンのあるフレーク目指してトラバース。フレークを登り、さらにアレートまでトラバースしリングボルトにクリップ。右上しコーナーを戻ったらコーナーを直上しボルトのあるレッジへ。途中で右へ出たほうが簡単かもしれない。
5P オリジナルルートは細かいルートファインディングが必要
6P 35m ビレイレッジを左へトラバースし、大きなピナクルの下を露出感のあるトラバース。トラバース後短いチムニーを直上し左のレッジでビレイ。
7P 35m レッジを左の端からチムニーへ入り込み左へ続くルーフまで登る。ルーフの下でプロテクションを取りながら15mほど左へ5mぐらいのコーナーまでトラバース。コーナーを直上し左のレッジでビレイ。
8P 20m 5.7 ビレイからコーナーに沿って5mほど登り、オーバーハングに着いたら右のフェースへトラバース。フェースのフレークについたらそれを登り、さらに細かいフェースを3m登る。そこからフットホールドを拾いながら右へ7mトラバースしボルトのあるレッジでビレイ。
9-1P 30m 5.7 ビレイから右へ。少しクライムダウンしピナクルへトラバース。ピナクルを頂点まで登り反対側をクライムダウン。露出間抜群のフェースにトラバースし、細かいホールドを拾いながらやや右上へ登り右上の大きなレッジへ。
9-2P 25m 左へ水平トラバースを約25m。右上するコーナーの下にある良いレッジでビレイ。
9P 長いトラバース
10P 25m 5.7 コーナーを登ってトップアウト。
10P 快適なコーナー
下りはイレギュラーだけどDreambedというモダンなルートをラッペルしました。ラッペル中にRed Shirtsというルートを登っていたPeter(この人も今回一緒にExamを受ける仲間)と合流し一緒に降りてきました。街角で会うように壁の中で会いました。Dreambedはフェースのルートなので下降に最適でした。
トレイルヘッド 9:00
取り付き 10:20
トップアウト 16:40
トレイルヘッド 19:00
火曜日, 8月 19, 2008
Guides Rock - Sea of Dreams, 5.10d, 6P
今日はHねーさん、Mさん、Kくんと一緒にバンフ近郊のMt.Coryの一部にあるGuides Rockへ行ってきた。一応ACMGの試験でも行く可能性のある場所なのでよい機会。というかそういう事情があるのでGuide Rockがいい、とぼくが提案したのでした。
Guides Rock。初めて行ったけどEEORのTrue Grid周辺の岩の良く似た、とてもクリーンな石灰岩のスラブの壁。今日登ったルートのほかにもThe Cure 11c 4P など面白そうなルートがある。
アプローチはバンフから数キロ西へハイウェイを走り1Aへ入って3km強の左のパーキングから。良い踏み跡を歩くこと30分ほど登るとパーキングからも見える綺麗な壁に当たります。ルートのスタートは大きなハングの真下にある木の生えたレッジの一番奥から。カンテにボルトが続いているので一目瞭然。
核心は1P目の10d。しばらくクライミングをサボっていたのでやたらと難しく感じた。二本目前後が核心で落ちたら痛そうだったので1本目のボルトを掴んでとりあえず二本目にクリップしてからフリーでトライ。何とか登れたけれど暑さでぬめりまくり怖かった。その後のピッチは快適そのもの。しかし、日差しがばっちり当たるので今日もやや脱水気味。暑さにやられました。
今回は試験対策のためMさんをクライアントとして下りは各種ラッペル、ローワリングの練習。スタックラッペル、カウンターバランスラッペル、トラムライン・ローワリング、ノーマル・ローワリングなどの練習をした。カウンターバランス・ラッペルはラッペル慣れしたクライアントだったらかなり早く降りることが出来るみたい。ローワリングのロープの整理に時間が掛かりすぎるのが改善点でした。
今日はカメラを忘れてしまった。写真がないのはやはり寂しいですね。
Guides Rock。初めて行ったけどEEORのTrue Grid周辺の岩の良く似た、とてもクリーンな石灰岩のスラブの壁。今日登ったルートのほかにもThe Cure 11c 4P など面白そうなルートがある。
アプローチはバンフから数キロ西へハイウェイを走り1Aへ入って3km強の左のパーキングから。良い踏み跡を歩くこと30分ほど登るとパーキングからも見える綺麗な壁に当たります。ルートのスタートは大きなハングの真下にある木の生えたレッジの一番奥から。カンテにボルトが続いているので一目瞭然。
核心は1P目の10d。しばらくクライミングをサボっていたのでやたらと難しく感じた。二本目前後が核心で落ちたら痛そうだったので1本目のボルトを掴んでとりあえず二本目にクリップしてからフリーでトライ。何とか登れたけれど暑さでぬめりまくり怖かった。その後のピッチは快適そのもの。しかし、日差しがばっちり当たるので今日もやや脱水気味。暑さにやられました。
今回は試験対策のためMさんをクライアントとして下りは各種ラッペル、ローワリングの練習。スタックラッペル、カウンターバランスラッペル、トラムライン・ローワリング、ノーマル・ローワリングなどの練習をした。カウンターバランス・ラッペルはラッペル慣れしたクライアントだったらかなり早く降りることが出来るみたい。ローワリングのロープの整理に時間が掛かりすぎるのが改善点でした。
今日はカメラを忘れてしまった。写真がないのはやはり寂しいですね。
月曜日, 8月 18, 2008
Mt.Yamnuska - Kahl Wall 5.10a, 280m 9P
赤線がKahl Wall
今日はACMGの試験では定番となっている(らしい)、ヤムナスカのKahl Wallというルートへ。クラッシックルートの中では5.10aとグレードは高め。ルートプランを作るという宿題があるのでルートプラン風に書いてみましょう。Route Plan: Mt.Yamnuska - Kahl Wall 5.10a, 280m 9P
Timing: 9ピッチルートで予想されるクライミングの時間は6-8時間、アプローチに1時間強、ルート終了点からパーキングまでは1時間。真夏は午後からの夕立の可能性が高いボウバレーなので早朝スタートが良い。なのでパーキング着は3時ぐらいが良いでしょう。
Escape Route: 平行・交差するBringers of the Dawnは各ステーションにボルトがあり、ルートも直線的、落石の可能性も低いのでエスケープルートとしては最適。交差する4ピッチ目終了点、6ピッチ目終了点からはラッペルで降りることが出来る。7p以降は登って壁を抜けるのが良い。
Option: ヤムナスカの西パートにはいくつかの短いルートがあり、天候や時間によっては選択肢になる。例えばWindy Slab, King's Chimneyなど。最寄のKid Goat, Nanny Goatにも多数の短いルートがあるのでこれも選択可。例えばTwilight Zone, Kyhole Route, Deception Route。
Equipment: ストッパー 1セット、キャメロット (0.5―4) 1セット、エイリアン(緑―赤) 1セット、スリング シングル6、ダブル3、ラッペル用にQuick Link を2個、ビレイ点はボルト、ピトンが最低1つは打ってある。
その他はレインジャケット、水たくさん。
Route Description:
Approach
キャンモアから1Aを東へ。1Xとのジャンクションからさらに2㎞。Yamnuskaの標識に従って左折すると駐車場へ。駐車場奥のトレイルヘッドからYamnuska Ridge Trailを約1Km ほど登るとクライマーズトレイルとのジャンクションへ。左のトレイルを行き壁の真ん中へ向けて左上してゆく。途中斜面をトラバースするトレイルとさらに左上してゆくトレイルがあるので、右の左上してゆくトレイルを行く。やがてトレイルがヤムナスカの壁に当るので、壁沿いを東へ20mほど行くと木の生えた5.4ほどのガリーがある。ここがスタート。
Descent
ルート終了点から踏みあとを拾いながら東へ。高度を下げながらヤムナスカの壁の東の端Ravan's Endを目指す。そこからはYamnuska Ridge Trailを下る。取り付きに戻る場合は壁の下についているクライマーズトレイルへ。
1P 30m 木の生えたガリーを上がりテラスから右へ出て5.5のBroken Cornerを登る。コナーの上で左のレッジへ出てビレイ。右上してゆくコナーは無視。ピトンが一つ、あとはストッパーで。
2P 35m 少し左上へ見えるコーナーへ向けてフェースを登り、コーナーが終わりピトンが残置されているところから左へトラバース。グルーブを登るとすぐに大きなレッジが左へ続きレッジがチムニーに合流しているところでビレイ。ピトンあり。
3P 40m チムニーを直上し左の大きなレッジを経て右上へ続くワイドクラック5.7を登る。ピトン多数、ボルト1のあるテラスでビレイ
4P 45m そのまま続いてゆくチムニー、ワイドクラック5.7を右上し、左へ浮石の多いレッジをトラバース。少しクライムダウンした後コーナーを登りボルトのある小さいスタンスでビレイ。
5P 30m コーナーを直上しボルトにクリップしたらカンテを右にトラバース、隣の浅いコーナー5.8を登りまたさらに右へトラバース。ボルトの打たれた小さいスタンスでビレイ。
6P 35m フェースを直上し、小ハングを右から登る5.10a。浅いコーナーを良いスタンスまで登ったら右の灰色のスラブへいやらしいトラバースし、その上のハングまでスラブ5.10aを登ってから左のコーナーへ戻る。コーナーを登った左のボルト3本打ってあるレッジでビレイ。
7P 30m コーナーを5m登った後右のグルーブへトラバース、さらに右のレッジへ右上。フェースを灰色のスラブの中に走るクラックへ向けて登り、ボルトの打たれたクラック沿い5.10aを登り途中から少し左のフェースへ。右のコーナーへ戻りボルトのあるレッジでビレイ。
8P 45m ビレイレッジの上にある顕著なコーナーをルーフまで登り、ルーフは左の壁をフェースクライミングで抜ける。5.8。コーナーの左の壁にあるボルト2本のスタンスでビレイ。
9P 20m コーナーに沿って登り浮石の多い簡単なクライミングを経てトップアウト。潅木とボディービレイ。
すべてフリーで登れ、喜ぶリヨウ
一緒に行ったリヨウは軽い脱水症状になって最後の2ピッチでスローダウン。日陰のないルートはこの時期かなり暑い。水はたくさん持ってゆきましょう。
トレイルヘッド 7:20
取り付き 8:20
6P 12:00
トップアウト 14:20
トレイルヘッド 15:15
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