木曜日, 2月 08, 2007

北海道・時計まわり4

注・2005年9月の記憶をのんびりと掘り起こしています。お間違いなく。

利尻山。海に浮かぶ山と言っても過言ではないでしょう。そもそも利尻島そのものが大きな山のような島です。人は山を囲むように海岸線に沿って暮らしています。海を向くとすぐ背後には秀麗な利尻山があり、山を向けばすぐ後ろには美しい北の海が広がります。


利尻山北稜から / 利尻山北稜にて


前日の移動でこってりと疲労が溜まりつらい目覚めとなりました。しかし、天気は上々。レストしたいのは山々ですがとにかく歩きだします。しかし不思議なもので、歩きだすとと疲れが和らぎ、リズムが整ってくると初めて歩く山道に気持ちが高揚してくるのものです。高度が上がるにつれて眼下に海が広がってゆきます。風の音も聞こえないとても静かな朝です。礼文島や前日に走った本土の海岸線、その向こうに広がる大地までが手に取るように見えます。静寂とひんやりとした空気に包まれ、柔らかな朝日を受けた海の輝きにしばし心奪われました。

静かの海
 

9合目あたりから次第に富士山のような赤茶けた脆いガレ場になります。西から合流する沓形稜がスタイル良く切り立っています。踏み跡の浸食などで少々歩きづらい山道を登り続けると立派な山頂神社のある北峰にたどりつきました。最高地点の南峰は崩壊のため立ち入り禁止になっていましたが、それでは気がすまないので踏み跡を辿り南峰にも行きます。南峰から見た北峰は、海に浮かぶ山という表現そのままの風景でした。これまで登った山のどれにも似ていない特別な山に来たことを実感し、ここに来るために苫小牧から自分の足で移動してきたのかもしれない、という思いがよぎりました。バリエーションルートを登ったわけでも、吹雪の中苦労して登ったわけでもありません。でも山頂であんなに満ち足りた気持ちになったのは久しぶりなことでした。山と旅が与える喜びに浸り、山との出会いもまた一期一会なのだ、と独り思うのでした。


利尻山北峰 / 午後、雲が湧いた


利尻までの道のりと登山の強行軍がたたり、翌日は抜け殻のような状態でした。さすがに体調を崩しそうなので休みます。旅の面白いところなのですが、こうしてぽっかりと空いた時間にはそれなりのことがあるものです。コンビニに旅仕様の自転車が置いてあるので近づいてゆくと珍しく女の子の旅人でした。走り出すとわき目も振らず走りつづけますが、走らないと決めた日には積極的にわき目を振ります。こうして夕方のフェリーの時間までは兵庫から来たSちゃんとのんびりと過ごすことになりました。彼女は、旭川で自転車を買ったばかりであることや、このまま北海道で冬を越したい、と思っていることなど話してくれました。二人とも同年代で状況も同じように宙ぶらりんだったせいか、話は尽きませんでした。天気もよく、あちこちSちゃんとぶらぶらしながら利尻島の美しさを満喫しました。夕方、彼女にフェリー乗り場まで送られ、ひと時交わった線がまた離れて行きます。彼女は礼文島へ渡り、僕は稚内に戻り知床に向かうのです。もしタイミングがあったら富良野あたりで会おうと約束をし、名残り惜しいまま僕は島を離れました。たった三日間だけだったけれど、ここ利尻島では山と海の織り成す美しさ、良い出会いにに恵まれ、濃密な時間が流れました。フェリーが稚内へ向かうにつれ、西日に浮かぶ利尻山のシルエットがゆっくりと海の向こうに遠ざかってゆきます。北海道でもっとも美しいと思い、一番好きになった場所。きっとまた、今度は違う季節に訪れたいと思います。


       鴛泊 / 利尻よ、さようなら


 再び稚内へ

1 件のコメント:

あずさ さんのコメント...

きましたよ~
北海道、いいね。
私も何年か前、同じ季節に君と似たようなコースを走りました。
知床が、衝撃だった。

読み応えのあるページだね。
ゆっくり読ませてもらいます☆

体、お大事に!!