水曜日, 1月 10, 2007

熊野と伊勢に詣でる正月1

伊勢神宮境内 /Pentax istDS DA18-55mm/

実は昨年の11月に右足首を骨折してしまい、山はおろかスキーやジョギングすらできない身体なのです。というわけで今年の正月は山に行くことはできず、代わりに熊野と伊勢を目指しました。
熊野本宮大社熊野速玉大社熊野那智大社、そして
伊勢神宮を 巡る正月。那智勝浦や熊野本宮大社周辺は温泉にも恵まれています。骨折した足はまだ時々腫れるのできっと温泉に入りすぎるのはまずいのですが、衝動を抑え られず身体がだるくなるぐらいの温泉三昧となりました。貧乏性ですね。愛知に行く途中にも山梨の下部温泉に寄りました。

神道のこ とをよく知らないので、包括的にやさしく解説している武光 誠著「日本人なら知っておきたい神道」を読みました。神道の最高の境地とは、すべての生きとし生けるものが楽しく過ごす有様「産霊(むすひ)」であると言 います。仏教の悟りに当たるものが産霊であるなら、神道とはなんと緩く穏やかな宗教でしょうか。他の宗教のように戒律がないのも大きな特徴でしょう。しか し、この”緩さ”ゆえ時々の権力者に利用され、仏教との融合を進め、流行によって色々な神様が加えられる、という掴みどころなさを生んでいます。現代では 神社といえばご利益を求めて祈る所です。しかし、神道の本来の姿とは、「自然の恵みに感謝して、自分が住む土地にあまた集まる多くの霊魂(神)をもてなし てまつる」といいます。日本という多様でやさしい自然感をはぐくんだ土地ならではの宗教ではないでしょうか。この本来の姿や産霊という理想像は、僕に神道 をどんな宗教よりも魅力的に見せます。

那智の浜に立って沖を眺めました。とても温かく特に海が静かでした。かつてあの水平線の向こうに浄土があると皆が信仰していた、ということがとても自然なことのように思えました。

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