水曜日, 12月 05, 2007

-Trip Report 3- Caslton Tower それは世界の中心だった

Caslton Tower・North Chimney 5.9

Caslton Tower South Face

モ アブから30分ほど北上しCaslton Valleyに入りしばらくするとまるで砂の山に刺した鉛筆のようにCaslton Towerが見えてきた。今まで見たことのないその造形にぼくらは喜びの声を上げ、そしてその現実離れした風景に思わず沈黙した。Caslton Tower。まさに塔である。

その塔の見えるキャンプサイトは道路沿いにあり、特に施設などはなく、キャンプ料などもなかった。シーズン 終わりに近い平日のせいだろう、ぼくら以外にクライマーが一組とモアブに住む写真家が一人だけキャンプしていた。アプローチが長く、できれば2本のルート を登りたかったぼくらは早々に眠りについた。


枯れたキャニオンを抜けて“塔”を目指す

ア プローチは正しい道を取れば1時間ほどだろう。しかし、踏み跡に惑わされたぼくらは約1時間半ほどかかってしまった。それでも次第に近づいてくる塔を眺め ながらハイキングするのは楽しいものだ。近づくにつれ現実離れしたフォーメーション、美しいのひと言に尽きる岩のテクスチャーが目に入ってくる。こんなわ くわく感そうないだろう。

Caslton Tower North Face
赤い矢印がNorth Chimney 黄色がNorth Face Route

ま ずはNorth Chimney 5.9に取り付いた。コーナーから深いチムニーを登り南壁に回り込んでフィニッシュするルートである。取り立てて核心などはないが、カルサイトという砂岩 の表面を覆う鉱物がとにかく良く滑り、そういった場所ではステミング中にまったく気が抜けない。股関節に悪いことこの上なかった。そんな時々はらはらさせ られる以外は快適そのもので駆け上がるように頂上へ上がることができた。
思いの他狭い頂上だったが風もなく、そこはまさに世界の中心のようなとこ ろだった。明日にはレッドロックスへ向かうぼくとO.J.にとっては、この赤い風景を眺める最後のチャンスだった。しばらくこの風景が見れないのは寂しい ものだ。そんな切ない思いと、また来よう、という強い思いを胸に北壁をラッペルした。久々に頂にいること強烈に感じることができるクライミングだった。や はりピークに登るのは大切なのだ。


Caslton Tower の頂にて

続いてNorth Face に取り付くが1p目でフィストサイズのカムが3,4個必要なことが分かりクライムダウンした。突っ込むこともできたが気持ちの良いルートを登ったあとだけ にそこまで欲がでなかった。こんなのんびりした日があってもいいだろう、と思いながら明るいうちにキャンプサイトへ向けて下山した。

左)North Chimneyの中から 右)最後はSouth Faceへ抜けて快適なフェースを経て頂上へ

翌朝、ぼくらは結局ずっと一緒に過ごしたH氏とカンちゃんと別れ、モアブの赤い砂と別れ、一路ラスベガスを目指したのであった。前回以上に名残り惜しいモアブとの別れであった。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

J郎君。元気そうだね。足の具合もいいの?それにしてもあのエンピツタワー、いいね。地球のてっぺんみたい。
ところで、瑞牆のあのエリア。みんなでよってたかって、沢山のクラックが登られました。

Jiro さんのコメント...

角屋さん、コメントありがとうございます。ラスベガスからロッキーに帰って、今度はすぐにユーコン準州のホワイトホースに来てます。オーロラ関連の仕事中。2月なかばまでキャンモアに帰れないのでクライミングお預けですよ。あのエリアがどんどん開拓されてるみたいですね。ぼくも参加したかったなぁ。今度帰ったらぜひ一緒に行きましょう。来年バガブーにでもきてくださいよ。うちから4時間もあれば着きますから。

匿名 さんのコメント...

 バガブー、行きたいなあ。でも来年はみんなでシャモニーに行く計画があるんだよ。
 最近水野ガイドが入会して、彼の奥さんがオーロラ関係の仕事してたっていってた。カメラウーマンなんだけど。
 来年、帰ってくることがあれば瑞牆に行こうよ。あのエリアはなかなかいいエリアだ。