月曜日, 12月 03, 2007

-Trip Report 1-  念願の再訪 Indian Creek

 Cat Wallの取り付きでくつろぐ犬
 

  イ ン デ ィ ア ン ク リ ー ク

 このエキゾチックな響きをもつクライミングエリアのことを始めて知ったのはかれこれ3年前になる。日本のクライミング誌に、赤い砂岩を鋭く貫く美しいクラックを見ることはなかったが、おそらく海外のクライミング誌で目にしたのだろう。その時ぼくはクライミング目的でアメリカに渡ったことは一度もなかった。ヨセミテやビショップ、ライフルなどいくらでもクオリティの高いエリアがあるにも関わらず、ぼくはまずインディアンクリークに行くことを選んだ。そして2年前、3人のクラック狂いとともにロスから一直線にこの地を訪れたのだった。最初に登ったのは確かSupercrack Buttresの3AMというルートだった。垂直のコーナーに30m以上続くハンドサイズのクラック。登れども登れどもアンカーは遠く、パンプしてハンドジャムの形に固まった指でロープをクリップすることができず、口やら手首やらを使いやっとのことでクリップし、猛烈に汗をかきながら登った。ガイドブックを見ると3AMのグレードは5.10だった。これはアップでやるものではない、ということを初日から思い知らされたわけだ。しかし思いしらされたのは初日だけでなかった。滞在期間を通して日々思い知らされ、圧倒され続けた。そして最後には春の砂漠の暑さに圧倒され打ちのめされてヨセミテへと移動したのだった。

 今回は陸路でインディアンクリークを目指した。ここキャンモアからパートナーO.J.と走ること1泊2日。走行距離2300km。前回は春のモアブだったが今回は11月・秋のモアブ。週末のモアブにはマウンテンバイクを積んだ車が多く、みな一年でもっとも快適な季節を楽しんでいるようだった。
 
 まず訪れたのはモアブから車で10分のWall Street。その名の通り道沿いに岸壁が続いているのでアプローチはゼロ。車の中からもビレイができそうな岩場だった。O.J.はスポーツクライミングばかりでジャミングというものを知らないので、まずはここで練習しそれからインディアンクリークへ行く、という作戦。最初は傾斜が緩いかな、と思ったがいくつか美しく厳しいクラックもあり二日間十分に楽しむことができた。町から通える距離だけど岩場のそばにキャンプサイトがあったのでそこに泊まった。湧き水とトイレとテーブルがあるだけの簡素なサイトが1泊10㌦なり。

-Wall Street-
Flakes Of Warth 5.9 O.S.
The Slab 5.8 O.S.
Bad Moki Roof 5.9 O.S.
Baby Blue 5.11a ×
Asstro Lad 5.11a O.S.        
Lucy in the Sky With Potash 5.10a O.S.
30 seconds over Potash 5.8 O.S.


ScarFace Wal の美しく波打ったWavy Gravyとロープを引くO.J.

 Wall Street で二日間登ったあと待望のインディアンクリークへ移動。前回泊まったNews Paper Camp Siteは夏の洪水で閉鎖されており、Briger Jackのサイトへ行った。しかし、普通のセダンで行くにはやや道が悪い。通ることはできるのだが毎日この道を走るのは気が進まないので、やや遠くなるがCotton Wood Camp Siteへ行くことにした。一箇所車で渡渉がある以外は快適なダートのみで運転は格段に楽だ。さらに立派なコットンウッドの下に快適なスペースがほぼ無制限にあった。気に入ったぼくらインディアンクリークを去るまでずっとこのキャンプサイトにいることにした。翌日の夜に日本からきたインディアンクリークの同志H氏とヨセミテから流れてきたカンちゃんも合流し、インディアンクリークの日々が始まった。

Donnely CayonのElephant Man(左) と Supercrack Buttressのとあるルート

 前回登った岩場以外の場所を中心に登ろうと思っていたが、やはり遣り残した宿題もあるし、名クラックをO.J.に登ってほしかったので、結局半分は過去に行った場所、半分は行ったことのない場所へ行くことになった。登った岩場はSupercrack Buttress, Donnely Canyon, Scarface Wall, Cat Wall。どれもやり尽くせないほどの素晴らしいクラックのある岩場ばかりだった。宿題のまま残ってしまったルートもあるし、オンサイトできたナイスクラックもあった。O.J.もあっという間に上達し5.10のルートをしっかりとリードするようになってくれた。それにしても毎回のことだがここにくると時間のなさを痛感する。登っても登ってもいくらでも素晴らしいクラックがまだあるのだ。前回同様、今度はもっと長く居ようと思ってしまった。


ScarFace Wall のMantle Illness 5.11 で一息つくカンちゃん(左) と Scarface 5.11- にトライ中のH氏 (右)


Cat WallのJonney Cat 5.11+に喰らいつくカンちゃん 5.12- という噂も...

登ったルートは以下の通り

-Donnely Canyon-
Binou's Crack 5.9 OS
Elephant Man 5.10 OS
Chocolate Corner 5.9 OS
The Naked and The Dead 5.8 OS/5.10 OS

-Supercrack Buttress-
The Incredible Hand Crack 5.10
Bad Rad Duality 5.10+ RP
Twin Crack 5.9 OS
#24 5.9 OS

-Scarface Wall-
#7 unnamed 5.9+ OS
#8 unnamed 5.10+ OS
Scarface 5.11- RP
Wavy Gravy 5.10- OS
Twitch! 5.11 OS
Where's Carruthers 5.10+ OS
The Sicilian 5.11 ×

-Cat Wall-
Cat Man Do 5.10 OS
King Cat 5.11+ ×



 

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